代々木町の家
2017
用途:住宅
所在地:北海道 江別市
敷地面積:251.66㎡
延べ面積:134.81㎡
撮影:佐々木育弥
江別市にある比較的古い住宅が立ち並ぶ住宅地に建てた個人住宅です。
隣の地主から一部を買い取った22m×11m程の南北に長い土地で東側にはその地主のもつ大きな庭があります。
クライアントとの最初の打合せでの対話で出てきたのは「長い家」という言葉で
この「長い」という言葉を如何に解釈し提示するかがテーマでした。
南北に長い敷地幅いっぱいに細長いボリュームを確保して、
その外殻にいくつかの木や黒板塗料でできた箱を入れ子状に配置した隙間には場所とそれに続く通路状の空間が自ずと現れます。
「長い」ということを物理的な長さだけではなく行ったり来たりするような体験する場所と捉えて通路の中に生活する場所がある様なイメージへ結びつけています。
居間から玄関、ダイニングから居間等お互いはその場ではちらりとしか見えませんが通路を歩くことで街の中の細い道を歩くように徐々にその姿が見えてきます。また回遊性がある平面し行き来する選択を増やす事でより長さを与えます。
1階東側の縁側に設置した連続する窓からは自身の庭越しに隣地の大きな庭を借景し、
また西側の視線が抜ける場所には小さな窓をいくつか配置することである程度密集する住宅地の中での眺めの上での奥行きの長さを意識しています。
行ったり来たりする「長さ」をその関係性を楽しめる生活を与える場としての家を目指しました。